※昔の記事に最近の検査結果の事柄を書き加えて、文章を手直ししました。
私は、かつて難病の一つ、膠原病(こうげんびょう)の患者でした。2007年から2015年まで大学病院に通院していました。その時は、「特定医療費受給者証」も持っていました。
どうして、その膠原病が治ったのか、どなたかの参考になると思い、治癒するまでの過程を書いてみました。あくまで、自己体験ですので他の方の参考になれば幸いです。
とかく「医者の言うことにだまって従え」と言われる患者の世界ですが、患者の話を聞いてくれる良い先生たちでした。感謝です。
結節性多発動脈炎という動脈の病気
ひと口に「膠原病」と言っても、様々な病気があります。
その中でも、私は結節性多発動脈炎((Polyarteritis nodosa : PAN))という中ぐらいの動脈が炎症を起こす病気です。
一般的には、MRIを撮ると中ぐらいの太さの動脈が節くれだって見えるので「結節性」というらしいです。
しかし、私の動脈は節くれだっていませんでした。だから、なかなか診断名がつかず、いろいろな病院をさまよったのです。
どんな症状だったのか
具体的にどんな症状だったのかをまとめてみました。
症状が様々だったので、ドクターによっては、私がデタラメを言っているような扱いを受けました。
主な症状が1)と2)です。5)と6)は、一度だけでた症状です。
1)足や手の筋肉が痛くなる すねの筋肉(前脛骨筋)が、痛くなる。筋トレしたあとのような痛みがする。冷やしても楽にならず、温めると少し和らいだ。ひどくなると、腿の筋肉が痛くなり、ほとんど歩けなくなる。腕も同様に、痛くなる。
2)39度ぐらいの発熱 1か月以上の発熱が続く。なぜだか、1カ月過ぎると、薬を飲まなくても、熱が下がった。(正確にいうと抗生物質の点滴と抗生物質の服用をしていたが、ドクターは「抗生剤は効いていない。」と言った。)
3)「強膜炎」を起す。目が充血して、腫れ眼圧が高くなる。
4)のどが腫れて、空咳が1か月ぐらい続く。肺炎と誤診診断されたこともある。
5)両眼複視 両目の焦点がうまく統合されずに、画像が二つ見えた。見えずらいので、眼帯をつけて生活していた。ドクターに「治らない場合もある。」と、言われたが処方されたメチコバールを飲んでいたら、1ヶ月ぐらいで治った。
6)浮動性めまい 回転性めまいではなく、ふわふわするようなめまい。
なぜ検査結果でわからなかったのか?
総合病院や大学病院で様々な検査を受けました。
①血液検査 CRP(炎症反応)が30近い。それ以外に異常が見つからない。
②MRI検査、CTスキャン
③骨髄生検
④筋電図
⑤PET検査
しかし、①の血液検査のCRP以外に異常がないのです。
総合病院で1カ月半、その後大学病院で1ヶ月入院しても病名が付かぬまま時間が過ぎていきました。
大学病院でこうまでわからなかったら、「患者が太ももの筋肉が痛いというので、太ももの筋肉を診てみよう」という話しになり、太ももを切開して、筋肉をそぎ落として、病理分析することになりました。
それで、自己免疫が中ぐらいの動脈を攻撃していて、炎症を起こしており、それで血が流れていないということがわかり、めでたく「結節性多発動脈炎」という病名をもらいました。
病院ではどういう治療だったか。
自分の場合は、ステロイド パルス療法は無しで、ステロイド薬のプレドニンを30mgを毎日服用するところから、スタートです。
30mgも服用すると、薬の副作用もありますし、免疫力が著しく低下しますので、もう1ヶ月大学病院で入院しました。
他にも薬を服用しました。全てステロイドのプレドニンの副作用を抑える薬です。
当時プレドニン10mg飲んでいた頃の薬の一覧です。
朝食後 プレドニン5mg (炎症を抑える)
ガスターD錠20mg(胃潰瘍の薬)
プレミネント配合錠 (血圧降下剤)
昼食後 プレドニン5mg
夕食後 バイアスピリン100mg(血栓をできにくくする)
ガスターD錠20mg
月1回起床時 ボノテオ錠50mg(骨粗しょう症の骨量が減るのを改善する薬)
そして、プレドニンの量を少しずつ減らして、どこまでの量で寛解が維持できるかということを診られました。
どうやって治っていったのか?
膠原病は「治る」とは一般的に言いません。一生プレドニンなどのステロイド剤を服用して、寛解状態を維持する病気です。
薬の服用ということが前提なので、薬のない治癒というのがそもそもあり得ません。
自分の方からドクターに申し出たのです。
5mgまで減った時だったと思います。炎症は起こることなく体調だけは良かったので、担当医に(教授でした。)
「試しにプレドニンの薬をゼロまで減らしてみてください。炎症が出たとしても、先生のせいにはしません。」とお願いしてみました。
その時もドクターに、「本来一生プレドニンを飲み続ける病気だよ。」と念押しされました。
それで少しずつプレドニンが減り、1mgまで減っていったころです。
再燃し、コントロール不能になったキッカケ
1mgまで減って、もう少しで薬が無くなると思っていたころでした。
薬を減らしたから、再燃(再び 病気が悪化)したのではないと思います。
その頃、実家の母が急に倒れ入院したということがありました。
母がやっていた農作業(早朝 果物を収穫)を私が急きょ手伝うことになりました。
それまで、1mgで安定していた体調が、5mgでも安定せず、20mgまで飲まないと症状を抑え込めなくなっていったのです。
母が体が悪くなっていくことを心配する心理的ストレスと、農作業を手伝うために早起きしないといけないという、生活上のストレスが、引き金だと後日わかりました。
早起きする、ただそれだけで、自分は発症してしまうのです。はあ?
早く起きるということだけで、自律神経のバランスが崩れてしまうのです。
原因はわかったとしても、それをコントロールする手段が見当たらず、お灸や指圧とかいろいろな方法を試しました。
しかし、効果的なものがありませんでした。
テレビで【和温入浴療法】を知る。
あるとき、「たけしのみんなの家庭の医学」(テレビ朝日)という番組を見ました。「血管年齢若返り物質NOを活性化する入浴法」というのがテーマです。

鄭忠和先生が、提唱されている”41度のお湯に10分間肩までつかる“というシンプルなものでした。
この方法は「和温療法」を名づけられていました。
これをやってみようと思いました。藁をもつかむ気持ちでした。
1週間ぐらい続けて結果が出て来ました。脛の筋肉の痛みが無くなってきたのです。
実際、和温入浴療法を始めてから、体調は大きく改善、検査結果も良くなり、またプレドニンの薬が減って行ったのです。
2013年の春ごろから、薬が減って行って、2014年にはプレドニンも飲まなくても良くなりました。
それから、プレドニンの薬はなくなったけれど、1年かけて副作用をなくすための薬を段階的に減らしてもらい2015年についにすべて薬を飲まなくても良くなりました。大学病院への通院も無くなりました。
民間療法VS近代医学ではない。
この話を知り合いに話しますが、だれも信じようとはしません。
だれも信じないので、せめて、ブログで公開することにしました。
膠原病なのに薬を飲まないのは、いつも「わがままでけしからん」みたいな話にされてしまいます。
しかし、病気が治って「奇跡だよ。」と言って、担当ドクターは喜んでくださいました。
それと、病院の方から言われた治療では無いことで、良くない、眉唾物だみたいな批判を受けます。
でも、この和温療法そのものが、大学の医学部で研究された療法でもあるし、民間療法ではないです。仮に民間療法だったとしても、病院へ通いながら、自己ケアとしてやればいいのです。
近代医学を否定しているかのように同じ患者に言われるのはつらいです。
肩までお風呂に入るだけでなぜ改善?

肩まで10分間入浴すると、体内でNOが発生し、血管が再生する(若返る)というのがその原理です。
自分の場合、血管の病気だったから、効果がより顕著だったのかもしれません。
しかし、これを実践するのは、注意が必要です。
本来は、医師の管理の下、病院の「和温療法室」で低温遠赤外線サウナで行うものなので、心臓疾患のある人は、安易に試してはいけません。
日本では、推定1万9000人が、ヒートショックなどで、お風呂で亡くなっています。
気温差や湯温度ばかりでなく、水圧もかかりますので、心臓に負担がかかります。
シャワーで済ましてきた人が、いきなり10分も入るとたいへんな疲労もします。
私も最初2分ぐらいから徐々に時間を延ばしていきました。
もし試すと言う人がおられたら、お風呂の温度は41℃、10分を越えて入らないということは当然の事、ヒートショック対策もして、慎重にしてください。
最近の血管年齢
膠原病が治っても、和温入浴療法はずっとやり続けています。また、病気が再燃(さいねん)してしまうという怖れというよりは、入浴で血管年齢を少しでも若くしたいという気持ちからです。最近、血管年齢を調べる機会がありました。
2024年10月に痔の手術をしましたが、その術前検査の一環で、血管年齢を測りました。
①動脈の硬さを調べるCAVI検査
②動脈の詰まり具合を調べるABI検査
この2つの検査です。
【結果】
動脈の詰まり具合は、正常(1.0~1.4)でした。しかし、この結果は心筋梗塞後の薬の服用によるものだと自分は考えています。(コレステロールを下げる薬とか、血液をサラサラにする薬など)
血管の硬さですが、残念なことに、正常値ではなく、8.8で、正常と動脈硬化の境界でした。年齢で言うと、60代の後半だそうです。
膠原病を患っていたころに、血管年齢を測ることが一度も無かったので、それと比較することもできませんが、入浴には血管を再生する力もあるけれど、自律神経を整える効果(副交感神経優位になる)もあるから、そちらのほうが効いたのかもしれません。でも、本当の所はよくわかりません。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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